水と生活
節水

日本は水資源が豊富なようでいて、実はそれほど豊かにあるというわけではないということがお分かりいただけると思います。 また、全地球的に見てみますと、21世紀は水問題の世紀といわれていて、 20世紀の石油に代わり21世紀は水が国際紛争の火種となると世界銀行は指摘しています。 2003年に日本で「世界水フォ-ラム」が開催されましたが、日本は輸入品をとおして地球規模で水資源の浪費国であることが厳しく指摘されました。
水と言えば主に飲み水などの生活用水ととらえられがちですが、実際には農業用水、工業用水として使われる水の方がはるかに大量です。 日本は食物を輸入に頼っているので、農業用水の比率は低いのですが、世界的に見ると農業用水の比率は飲料水などの生活用水の比率を越えているのが普通です。 つまり、日本で消費される食物のために他国の水資源が大量に消費されているわけです。これが、日本が水資源の浪費国であると指摘されるゆえんです。 現在、世界の人口は増え続けていますので、水資源は枯渇する一方なのです。

現在のように、それこそ「湯水のごとく」水を浪費していては、将来確実に起きると予測される水不足に対応することはできません。 今から節水する習慣を身につけておくことは大切です。
それでは、具体的にどのように節水できるのか、家庭で今すぐ始められる節水について見て行きましょう。
お風呂での節水
- 1.風呂の残り湯を活用する。
- 2.シャワーの使用水量に注意する 。
- 3.湯船をあふれさせない。
- 4.沸かしすぎをしない。(温度を下げるために余分な水を要するので) なお、風呂の残り湯を有効活用する方法としては、洗濯用水から打ち水、あるいはトイレの排水に利用するといった方法があります。 バケツで水を汲んで一々運搬しなくて済むように、電動式ポンプといった製品を使うこともできます。
洗面での節水
- 1.洗髪、歯磨きなどの時に水を流したままにしない。
- 2.節水コマによって蛇口の流量を制限する。(台所なども同様)
- 3.シャワーノズルなどを使う。 また、シャワーノズルと似たような性質で、蛇口に気泡を取り込むための器具を取り付けると、少ない水量でより流量を増大させるという効果があります。
洗濯での節水
- 1.風呂の残り湯を利用する。
- 2.「注水すすぎ」ではなく「ためすすぎ」を用いる。
- 3.洗濯後、すすぎの前に必ず脱水を行なう。
- 4.洗濯の回数を減らし、まとめて洗う(二漕式洗濯機では特に有効)。
- 5.あまり水を使わない方式の洗濯機を使う。 日本でよく使われている回転式の洗濯機よりも、欧米で使用されているドラム式の洗濯機の方が使う水の量が少なくて済みます。 また、同じドラム式であれば、ドラムが斜めに設置されているものの方がより少ない水量で洗濯できます。
台所での節水
- 1.米は無洗米を用いる。
- 2.食器は汚れが落とし易いよう、ためた水につけておく。
- 3.流水ではなく、ため水で洗う。
- 4.汚れはあらかじめ拭き取っておく。
トイレでの節水
- 1.貯水タンクに瓶・ペットボトル・煉瓦などを入れ、貯水量を減らす。
- 2.排泄時における「音を消すための流水」をしない。近年は便器メーカーも、より少ない水量で清潔にできる「節水トイレ」を開発しています。
その他の節水
- 1.雨水を利用する。
- 2.洗車の回数を減らす。屋根に降った雨水を効率的に貯水するシステムを取り入れるという方法もあります。
これらは、今すぐに始められて、しかも効果的な節水法です。
水不足が起きてから困らないように、今すぐ始めてみてはどうでしょうか。