重水と軽水|ウォーターサーバー、水宅配の比較サイト

水の豆知識

重水と軽水

ウォーターサーバーと水比較ガイド 水の元素記号はH2Oであることは知られています。それは水の分子がふたつの水素原子とひとつの酸素原子が結びついてできているということを示しています。しかし、すべての水が同じ構成で結びついた原子によって成り立っているとはかぎりません。1

943年に、アメリカのユーリという学者が、なにも不純物の混じっていない純粋の水の中に通常の2倍の質量をもった水素原子が存在することを発見しました。この2倍の質量をもった水素原子を重水素と呼び、元素記号Dで表します。すなわちH+H+Oで成立っている水の他に、H+D+Oの水、さらにD+D+Oの水があることがわかったのです。このD2Oの水は重水と呼び、H2Oは軽水と呼びます。つまり、Hという元素記号をもつ水素原子とDという元素記号をもつ重水素が存在するのです。

この重水素を元素としてもつ水を重水と呼び、これに対して通常の水を軽水と呼びます。私たちが一般に水と呼んでいるのは軽水のことです。天然水の99.7%はこの軽水です。天然の水から、重水だけを分離することは可能ですが、完全に取り除くのは難しいとされています。従って、軽水と呼ばれている天然水の中にも極微量の重水が含まれています。でもその重水の含有量が人体に悪影響を及ぼすというわけではないのであまり気にすることはないのです。

重水は軽水より比重が大きく、物理的、科学的性質が通常の水と若干異なります。重水の特徴としては、物質の溶解度、電気伝導度、電離波などの物性や反応が軽水と異なる数値を示します。飲料として摂取すると生体内反応に失調をきたし生命にもかかわってきます。重水中では魚類は全て死に植物は発芽することができません。このような重水は主に原子炉の減速材として利用されています。水素は高速中性子を熱中性子に減速する能力にすぐれており、水素を大量に含む重水は減速材として重用されているのです。またこの働きは医療にも応用されています。

ウォーターサーバーと水比較ガイド現代の放射線治療において、エネルギーが高い高速粒子のまま治療を行なうと生体に対する悪影響が強すぎるので、減速中性子を利用する治療法がすすめられています。この減速材としての働きを担っているのが重水なのです。軽水を使用すると、中性子が軽水に吸収されてしまいビーム出力が弱くなるという弊害が出るからです。

軽水は中性子を吸収しやすいという特性を持っており、重水は中性子を吸収しにくいという異なった特性を持っています。このため原子力の分野では区別されて扱われています。私たちにとてはごくわずかな差であっても、科学的分野でははっきりと区別されているのです。

水の種類によるいろいろな効果

この様に科学的な性質の違いが証明されていても、重水と軽水は実際には殆んど区別は出来ません。通常の水の中に微量の重水が混じっていても、その重水が水の性質に影響を及ぼすというようなことはほとんど無いと言っていいのです。従って微量の重水を含む水も軽水と呼んでいる場合もあるのです。自然に存在する地球上の水であれば、ほぼ一定の割合で重水は混じっています。最近ではこの微量の重水をも取り除いた超軽水という水も存在しているようです。

超軽水はスーパーライトウォーターとも呼ばれ、軽水より重水の含有量を減らした水のことを言います。まだ研究段階ではありますが、一部では美容や健康に良いと信じられています。中には血糖値を下げるとか、ガンやアトピー性皮膚炎が治るなどと謳う業者も存在しているようですが、まだまだ人に対する臨床実験の段階であり、はっきりとした効果は実証されていないのが現状です。もし、日本においてこのような効能を謳って販売するようなことがあれば薬事法に違反することとなります。

重水を全く含まない純粋な水が存在するならば、これ以上ピュアな水はありません。しかし現代の科学技術をもってしても重水を取り除くことは不可能と言えます。まだまだこれからの研究成果を待たなければなりませんが、将来もしかしたら可能となるかもしれません。

普段、何気なく飲んでいる水ですが、原子レベルで考えてみると色々な種類が存在しています。無味無臭だと思っていても水の種類によって体にいろいろな効果を期待できるのです。