海洋深層水の話|ウォーターサーバー、水宅配の比較サイト

水の豆知識

海洋深層水の話

ウォーターサーバーと水比較ガイド 海洋深層水とは、大陸棚より沖合の場所にある海の底で光合成に必要な太陽光の届かない、水深200m以上深いところにある海水のことです。

太陽光が届かないので、水温が急に冷たくなっている層にあります。通常、表層の部分と深海深くにある海洋深層水の間には、急速に温度の下がる水温躍層という層が存在しています。この層が壁となりお互いの水が混じり合うことはありません。

だから海洋深層水は深海の底を純粋なままで循環しているのです。

世界で初めて海洋深層水の存在が発見されたのは1920年代の後半から30年代初頭にかけて、フランスの科学者によって行われたキューバでの海洋温度差発電実験によるものだと言われています。その後、産業資源としての広範囲な分野での利用研究が始まったのは1981年のハワイが最初でした。日本に海洋深層水の研究所が設立されたのは、1989年になってからで北海道室戸市に建設されました。以降、海洋深層水の特性や水産分野での基礎・応用研究、さらに大きな問題となっているアトピー性皮膚炎の治療への臨床応用研究が行われ、一定の研究成果を得ています。日本の海洋深層水についての研究は世界の中でもトップクラスだと言われています。

海洋汚染もなく常に低温

海洋深層水は、太陽光に触れることの出来ない海底の奥底にあるので、海洋汚染もなく常に低温に保たれています。地球規模の時間を経過した海洋深層水は、生命活動に欠かせない無機栄養塩を多く含んでいます。

それは、太陽光の届かない深海においては、栄養物質を消費する植物プランクトンが存在しないためです。

そのため、バクテリアによって分解された栄養物質がそのまま残り豊富に含まれているのです。この栄養物質とは、植物の生長に必要な窒素、リン、ケイ酸などの無機栄養塩のことです。表層の海水と比べるとはるかに多くの無機栄養塩を含んでいるのです。

低温であるがゆえの大きな特徴

海洋深層水は、低温のため水質悪化の原因である有機物の濃度が低く、一般的な細菌などによる汚染がほとんどありません。地上や表層の海水ではあたりまえに存在する大腸菌や一般細菌が存在しないのです。これは低温であるがゆえの大きな特徴と言えます。

その温度は常に一定に保たれ上昇することはありません。また近年大きな問題になっている化学物質などによる汚染の可能性も少なくなっています。

つまりあらゆる汚染から完全に隔離された場所にある海水なのです。

必須微量元素

海洋深層水には、必須微量元素や様々なミネラルがバランスよく含まれています。
必須微量元素とは、微量ながら生命活動に欠かせない元素のことで、鉄、亜鉛、銅、マンガンなどがあげられます。生物の体内に保持されている量が比較的少ない元素です。
ミネラルも生体には欠かせない元素のことで、無機質とも呼ばれています。糖質、脂質、たんぱく質、ビタミンと並び五大栄養素のひとつとして数えられています。代表的なミネラルとしては、カルシウムやナトリウム、マグネシウムなどがあります。

この豊富な栄養素を含む理由は、長期にわたって表層から様々な物質が沈降してきた結果と言えます。このミネラル特性を生かした様々な有効利用の研究がすすめられています。

海洋深層水にはまだ未知の部分も多くあり、特有の元素も明らかにされつつあります。

身近な利用法

海洋深層水の身近な利用法としては、飲料水としてのミネラルウォーターはもちろんのこと、ミネラルの豊富さに着目した化粧品や入浴剤、食品としての水産加工食品として商品化されています。

ウォーターサーバーと水比較ガイド海洋深層水は単に飲料用としてではなく、陸水のようにダイオキシン等の有害化学物質に汚染されていない特性を活用した利用方法があるのです。海洋深層水を食品に利用すると、味や食感が良くなるといった質の向上に役立ちます。特に塩を使った食品に利用すると味がまろやかになり、うまみが増します。海洋深層水を用いて昔ながらの製法で精製した食塩は、にがり成分などを適度に含みまろやかな味を出せるとのです。海洋深層水を清酒の仕込み水として用いると、酵母の増殖が活発になって、アルコール度が高く雑味の少ない吟醸酒ができたという実験結果も報告されています。醤油の醸造でも同じような効果が得られるようです。これは、海洋深層水の中に多く含まれているミネラル成分がもたらす結果なのです。

地球の海洋全ての底を循環している海洋深層水

海洋深層水は水圧30気圧以下で地球規模の遠くなるような時間ををかけて熟成された海水です。初めて発見されてからまだ100年もたっていませんが、その研究は日々進化し続けています。地球の海洋全ての底を循環している海洋深層水は私たち人間に大きな効果をもたらしてくれることでしょう。

海洋深層水は海水なのでそのまま利用することはもちろん出来ません。塩分を除去したりミネラル分を濃縮したりした上であらゆる製品に加工されています。そのための施設は全国に存在し、国や専門家の指導のもと、より安全で信頼できる製品が生まれています。海洋深層水が最初に商品化された頃より技術や基準は飛躍的に進化しているのです。